中国で高齢男性が「工業用水素発生器」による水素吸入を続け死亡の疑い・・・メディアは政府規制当局に注意を呼び掛ける

2023年8月、中国の小祥朝報は「工業用水素発生器で水素を吸入していた高齢者が死亡」という記事を発表し、それを受け、同国内の新華社通信、CNR、新聞社など多くのプラットフォームでも本事件を一斉に報道しました。

工業用(産業用)水素発生器を販売していた業者は、「癌に効く」「健康に良い」などと大々的にプロモーションを行い、マルチ商法を用いて多くの高齢者に機器を売りつけ、膨大な利益を上げていました。健康被害を及ぼす危険性が高い工業用水素発生器ですが、それを知らない高齢男性は健康のためにと水素吸入を続け、2023年8月6日に死亡するという痛ましい事件が起きてしまったのです。

本来、水を電気分解して水素と酸素を供給する原理は決して複雑ではありません。しかし、体内に取り込むというヘルスケア(医療)用途の場合、それは非常に複雑で、中国では必ず国家食品医薬品局の第3類医療用の厳しい基準を満たさなければなりません。

ヘルスケア用は水素酸素混合ガスを体内に取り込むことが目的であるため、その品質と安全性を確保・保証する必要があります。このような機器の製造工程は非常に複雑で難しく、用いる一つ一つの部品も高品質でなければならないため、コストも非常に高くなります。一方、燃焼炉や溶接機などに使用される工業用水素発生器は、中学校の物理で紹介されるレベルの簡単な原理で製造することができるため、一つ一つの部品に拘る必要がなく、非常に安価で製造できてしまいます。

中国ではSuifeelメーカーであるアスクレピオスメディテック社の成功を受け、工業用水素発生器を用いた模造品の販売が横行しており、粗悪な製品の外見だけを見栄え良く整え、専門的な知識を並べプロモーションを行い、消費者を騙し販売している悪徳業者が多く存在します。これは中国だけの問題でなく、こういった工業用水素発生器が日本でも多く販売されている現実があります。

中国で国家食品医薬品局によって「クラス III 医療機器」として認定された機器は唯一アスクレピオスメディテック社の水素酸素ネブライザー(日本=Suifeel)のみです。他の機器は一切ありません。もし医療用水素吸入器と謳われる機器があるとすれば、それはすべて模造品の偽物で危険性があります。

今回、中国で起こってしまった工業用水素発生器による水素吸入が引き起こした死亡事故は、中国国内での更なる国の厳しい規制の必要性を示しているといえます。また、日本国内でも年々水素吸入療法が注目を集めていますが、明確な規制が一切ないため、工業用水発生器がヘルスケア用途として、当たり前のように多く販売されている現状があるため、早期に規制を設ける必要があると考えます。


以下はメーカー提供による「医療用」と「工業用(産業用)」機器の違いです。

1. 医療用水素酸素機器は中国の国家食品医薬品局の承認が必要であり、「クラスIII医療機器」認証を取得した場合のみ医療用途で患者が使用できることになっています。

国家食品医薬品監督管理局の制度では、医療機器はクラスI、クラスII、クラスIIIに分けて管理されており、クラスIとクラスIIは省医薬品監督局に登録することができる。クラス III 医療機器の材料とプロセスは、人体適合性、消毒および滅菌基準、電気的安全性試験、電磁的適合性試験、材料性能など、国家食品医薬品局の対応する基準に準拠する必要があります。

試験、化学分析、生物学的性能試験、信頼性分析などの検査を行うと同時に、国家食品医薬品局による抜き打ち検査(一連の極秘検査)を通過しなければなりません。国家食品医薬品監督管理局のプロジェクト監督者と執行者のみが詳細を把握しており、企業が所在する医薬品監督管理部門も含め、直前に通知され、突然性、絶縁性、柔軟性の特性に適合します。 検査の即時性、検査が不合格となると是正や資格の取り消しの対象となり、非常に難しいものです。


2. 工業用(産業用)水素発生器と医療用水素吸入器の製造工程の違い

工業用水素発生器

工業用水素発生器には2 つの原理があります。

(1) 固体導電性材料をイオン(プロトン)膜に塗布し、アノードで酸素を生成し、カソードで水素を生成し、水素と酸素を別室で出力するものであり、主に自動車用水素燃料電池の分野で使用されています。

体内に取り込むと有毒であるイオン膜(SPE/PEM/PLM)が使用されており、酸素の生成が不安定​​であるため、O2酸素だけでなくO3オゾンも生成されます。工業用水素発生器を販売する業者は香料や香辛料などに混ぜて臭い誤魔化していますが、この水素ガスを中長期的に吸入することで人体に多大な悪影響を及ぼします。


(2) 工業用強アルカリ粉末を導電性液体として電解槽に加え、同一室内で水素と酸素の混合物を出力し、主に工業用バーナー、溶接機などに使用されています。

工業用強アルカリはガス製造の過程で消費されるため、業者は知識のない購入者に対して定期的に電解槽に添加する強アルカリの粉末を提供します。人間の生体適合性を満たさない工業用強アルカリを中長期的に吸入してしまうと計り知れない害を与えます。



医療用水素吸入器

革新的な技術を備えた医療用​​水素吸入器は、有毒なイオン(プラズマ)膜を一切使用せず、また、工業用の強アルカリを定期的に添加する必要もありません。また、多施設臨床試験で安全性と有効性が証明された上で「クラス III 医療機器」として登録されており、市場で販売する法的資格も取得しています。

医療用水素吸入器は、規制要件への準拠を確保し、安全性と非毒性を実現し、販売後の保護と製品寿命が基準を満たすために、医療用水素吸入器の製造コストは工業用水素発生器のコストよりもはるかに高くなります。



ここ数年、中国でこのように粗悪な工業用水素発生器の違法販売が増加していることもあり、Suifeelメーカーは、日本でも安心安全な水素吸入が普及してほしいと、数年前より関連する情報を弊社に共有してくれており、当ホームページ内で定期的に注意喚起しています。

しかしながら、日本では水素吸入の効果効能ばかりがフィーチャーされており、工業用水素発生方式(SPE/PEM/PLM)の危険性がほとんど認知されていないこともあり、これを採用しているメーカーが多く存在します。中には中国から輸入した工業用水素発生器を改良し、メイドインジャパンと謳い販売しているケースも確認されています。

既に対象機器を使用されている方がいましたら、メーカーや販売元に安全性を注意深く確認することをおすすめします。SPE/PEM/PLMを採用している機器のすべてに有害性があるとは言い切れません。そのメーカーがしっかりと対策を施していたり、多くの臨床試験行い100%安心安全であることを確認した上で販売されている機器であれば何も問題ないとは思います。

注意喚起の甲斐あって、日本でも工業用水素発生器の危険性が少なからず知られるようになってきたのか、昨年頃から、複数の他メーカーの代表者や技術担当者などからイオン膜電気分解の危険性について、弊社に問い合わせをいただくことが増えています。弊社が知り得る情報は共有させていただいていますが、製造しているメーカーが、その危険性について何も知らないまま販売していたという事実に強い危機感を覚えました。

水素吸入療法は多くの方の助けになると確信しています。しかし、それを実現させるためには、弊社含む提供する側のすべての者が、正しい知識を持って普及に努めることが必要だと強く感じています。